中国という国家との一連の騒動。
多くの情報が流れ錯綜し、日本という国家の中国に対する外交施策、
また領土問題が存在するロシア・韓国との外交的スタンスと方向性も
今一度、考察されなければならない事が明確になりました。
たくさんの情報が流れた所で、私が「最も正しいだろうな」と判断した記事をリンクしておきます。
ジャーナリスト藤田洋毅氏のレポート
この記事が正確に今回の尖閣諸島問題に対する中国の立ち位置を上手に表現していると思います。
中国という国家は決して盲目な国家ではありません。
それは以前のブログに書きましたが、毎年東大クラスの頭脳を持った若い中国人が
日本の10倍以上のペースで生み出される中、それ程の「理数処理計算能力」がある人達が
「情報分析力」がないと考える方が違和感があるでしょう。
つまり中国は今回の尖閣諸島に対する中国の強硬手段が「諸刃の剣」になる事も、
政府上層部や中国のインテリジェンスチームは覚悟していたはずです。
今回、中国が大きく失ったものそれは「国際的信用」です。
グローバリズムを武器に圧倒的な中国の経済成長が進む中で、
「国際的信用」というブランドは今、中国が何よりも優先度の高い位置で
ケアをしなけれなならない項目です。
前途した様に、中国という国家は決して馬鹿な国家じゃない。
「日本における中国の評価」、「世界における中国という国の評価」
をあらゆる角度から冷静に分析し、情報を活用しています。
今回、中国が国際的信用を失ってまで、「利」を得たかったのは、
決して尖閣諸島に関する利権ではありません。
領土問題で一つ譲れば、中国という国家の屋台骨を支える支柱がなくなると判断したからこそ、
突っ張ったのです。
「領土問題が中国という国家の存亡に関わる」 と判断した中国と、
「尖閣諸島?知らない島だけど一応領土って言ってんだから譲らない方がいいんじゃない?」
程度の認識の日本人が多い日本では到底太刀打ちできません。
その判断をした中国のインテリジェンスチームは極めて優秀であり、
経済をバックに外交が進める事が出来るインテリジェンスチームは
極めて有効で効果的な情報を持っていると判断が出来ます。
それが出来る頭脳が中国には腐るほどいるし、
過去シリコンバレーで働いていた多くの有能な中国人技術者達が中国本土に帰り
活躍をしている事からも、決して情報を遮断された国家ではない事は明らかです。
皆さんがテレビで見る中国とは、
「中国の反日教育で共産党教育を信じて日本を嫌う過激な国家」
「中国共産党の独裁国家」
こんなイメージでしょうか。
しかしこれはリンクした記事でもあった様に中国という国家の側面の一部でしかありません。
元中国大使の講演で、「中国は多様性と複合性を持ち合わせた多面的国家」と評した判断は
さすが対中国問題のスペシャリストだと私は思います。
中国の国民性と外交に対する、日本の姿勢については島根県議の園山繁県議のブログや思考が
意を突いていると思います。
園山繁 島根県議会議員ウェブサイト
今回の尖閣諸島問題で出た日本という国家の脆さ。
民主党の政権運営が未熟なのは最早言うまでもありませんが、
今回の件に関しては、右的思考も左的思考の方々も総動員して、
「日本の外交は強硬的に行くべし」 という論調になったかと思います。
経済不況や、国民的な幸せ感の生き詰まりが、
日本全体を「偏ったナショナリズム」に導くのではないか。
そう危惧しています。
私は、日の丸のバッジをつけて議会活動をしています。
日本という国家・文化・歴史があって、今の私という人間が存在している。
という事を今一度表している意味でつけています。
「真のナショナリズム」 とは、日本という国家・文化・歴史をしっかりと心の芯に持ちながら、
あらゆる国の文化を理解しようとする事だと私は思います。
「世界平和」=「日本人であるという枠組みを超えるべきだ」 という人もいますが、
世界平和は多くの多様性と、多くのナショナリズムを理解する事から生まれます。
心に芯のない人間は、世界・日本どこへ行ってもコミュニケーション能力が各段に落ちます。
今、日本に求められるのは、民主党政権に関する批判というよりも、
安易にドラマティックな変化を望んだ国民自身の責任論であり、
そこをまず自覚してから生み出される
新しい国家として、国民としてのビジョンこそが
芯の強い外交、世界の中の日本というべき立ち位置を生み出して行くのだと思います。
今回の中国との尖閣諸島の問題は、
日本国家を取り巻く内政状況や国民力、
そして強烈に成長する中国やロシアや韓国という国家の傍にある
我が国の外交状況の厳しさや難しさを改めて浮き彫りにした事は間違いありません。